冷えてると思ってた。
だけど飲んだら、ぬるかった。
しゅわしゅわって音もせず、
ただ、ぐったりと甘くて、のどに残った。
君と話したいと思ってた。
だけど今日も、君は無口だった。
わたしの話にうなずきもしないし、
下を向いて目も合わせない。そういうやつ。
君は、冷たくて、呼吸のかすかな音を出して。
なんだか炭酸の泡みたい。
甘くないところは炭酸とちがうね。
君の味はたぶんちょっぴりほろ苦いと思うし。
「話すことないの?」って聞きたいけど、
聞いたら、たぶんもっと黙られる。
「別に」って言われたら、たぶん泣いちゃう。
だから言わない。わたしって、変みたい。
君の沈黙の中に、意味を探すのは疲れる。
なんかあるの? ないの? ねえ、ないの?
…ないならない、って言ってよ。
でも言われたら、それもなんだかさみしい。
ぬるい炭酸は、ぬるいまま終わる。
冷たくならない。はじけない。
わたしの言葉も、君には届かない。
でも一緒にいる。今日も、また。
君は冷たく無口なまま、わたしが勝手に話す。
そうしていたら、きっと君はぬるくなってく。炭酸みたいに。
そうだったらいいな。
8/3/2025, 3:19:13 PM