「子どもの近くにいると安心する。恋愛でも性愛でもない。無垢で純粋な物の側にいるから穏やかになれるのかしら」
彼女は母親の元へ駆け寄っていく子どもを見届けた。子どもの柔らかな温もりに当てられて良い気分である。笑みを浮かべるも、口元を引きつらせる自虐が微かに見えた。
「君は、純愛を欲しているだけだと思うよ。誰もけがれない付き合いをしたいんじゃないかな」
「愛憎劇になるぐらいなら、子どもとおままごとをしたいよ」
「そうだよね。ただ君には、どんな愛も受け入れる愛情を持ってほしい」
急に彼から願いを言われて、彼女は返事を詰まらせた。なぜと尋ねたら、彼は驚いて答えた。
「なぜって、君にもその資格があるからだ。愛情は全ての人が持っている。形は様々、色も色々、量も多少ある。そして、同じ愛は決してない。君だけの愛で世界に応えればいい」
何も恐れることは無いと彼は向き合った。熱気に当てられてやや身を引く彼女に苦笑し、毛先をいじる。
「まずは、自分を愛してみたらどうだろう」
「どうやって?」
「僕が君のことをラミーって呼んでいる間は、君は君を愛する。簡単だろ」
難しい話でも聞いたかのように、彼女は唖然としている。しかし彼は気にもせず、早速ラミーと呼んだ。彼女は慣れない愛称に戸惑ったが、突然閃いたのか。目を見開いて、かすかに開いた口から言葉を発した。
「Salutations,My hear.I’m lumme」
「Good love」
(250723 True Love)
7/23/2025, 1:17:28 PM