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"きらめく街並み"


ある日の放課後、私は電車を待っていた。
季節はもう冬で肌を突き刺すような寒さが襲いかかり、思わずマフラーに顔を埋める。

皆が友人と話したり、俯いて携帯と睨めっこをしていたりと様々に、されど同様に電車を待っている。

私は冷たい風に足を擦り合わせ、今朝は鞄になんの本を入れたかを思い出していた。

私は立って電車の窓を見つめていた。滅多に眺めることのない早く流れる風景と、足元から伝わってくる振動。
読み終えてしまった本の代替えだけれど、楽しい

けれど遠くのあるものを見つけて、そんな気持ちは呆気なく霧散してしまった。

きらめく街並み、前までは日が沈むのも今より早くはなかった。
日に照らされたあの街はただの、本当にありふれた何気ない街並みだったのに。

いいな、あんなに輝いた場所でいられるなんて。
虹の端にいても何の気なしに生活するように、あの街で暮らしている人たちは何も感じていないんだろう。

最近では、なんだか疲れ果てている。
こんなただの風景に惑わされるほどにも


落ちぶれてしまった。

おかしいな、おかしいなぁと腹の奥で黒いものが渦巻き始める。

きっと明日もあのきらめく街並みに嫉妬するのだろう。
今度こそ読み終えてしまわないように、頭の中に読みたい本をいくつかリストアップして、電車を降りた。

12/5/2025, 10:35:54 AM