すゞめ

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『楽園』

 お行儀よくリビングのソファに座り、彼女が真剣な表情でタブレットを睨んでいた。
 見ているのはおそらく、バドミントンの試合映像だろう。
 そんな彼女の隣でタブレットを覗き込む俺は、今、猛烈にかまってほしい気分だった。
 大変申しわけないとは思いつつ、ソファに彼女を押し倒す。

「お、わっ!?」

 ことん、とタブレットが床に落ちたことにかまうことなく、俺は奥ゆかしく膨らんでいる双丘に顔を埋めた。

 はぁぁぁ。至福。
 ここが、まさに楽園である。

「ぐえぇ」

 苦しそう、というには、彼女はどこかわざとらしい声を漏らした。

「大丈夫ですか?」
「大丈夫くない。重いからどいて」

 ペシペシと俺の頬を軽く叩きながら抵抗を見せるが、このふくよかな感触を手放すのは惜しい。

「このおっぱいランドの居住権は俺にあるので無理ですね」
「人のおっぱいを不当に占拠するな」
「手にピッタリ収まるサイズ感がたまらないですよね。まさにシンデレラフィットです」
「あのさ、会話をしてくれる?」

 彼女の手のひらがグーに握り込まれ、こめかみをグリグリされた。
 ……ちゃんと痛い。

「てゆーか、なにがシンデレラフィットだよ。ふざけんな。そのデカい手のひらじゃスッカスカでスペース持て余してるだろうが」
「そんなことないです。いい感じに揉み込めます」
「揉むなっ!」
「なんでですか!?」
「私のおっぱいだからだろうがっ!」
「だからいいんじゃないですか! 最高です!」
「図々しくタダ乗りしやがって……」

 あきれ果ててため息をつく彼女だが、さすがにその言い分はあんまりである。

「失礼な。ちゃんと愛情は払っているじゃないですか」
「あん?」

 不服に歪むかわいい桜色の唇に、ちゅむちゅむと自分の唇を押しつける。
 ちゅっちゅ、ちゅっちゅと彼女が反論しようとするたびにキスを重ねていった。
 そんなことをしているうちに、さすがにお怒りゲージが頂点に達したのか、彼女が大声をあげる。

「やかましいな!? さっさと立ち退けっ!」

5/1/2026, 8:54:14 AM