部屋の片隅で
暗く湿っぽい部屋の片隅で
俺たちは集まって言った。
「いやー、そろそろ来ると思うよ。」
「俺この場所が好きだったのになぁ…。」
「まぁ、いつか訪れる運命ですからね。」
今まで数々の仲間があの消滅機の犠牲となった。
そいつらの仇を取るために俺らは生き延びてきたのだ。
だが、それも今日でおしまいかもしれない。
あの馬鹿でかい消滅機がパワーアップしたのだ。
噂をしているとうぃーーーん!!!と大きな音をたてて
ヤツがやってきた。
「…やっぱり来やがったか…。」
「消滅機に見つかる前に人間の体に入り込んで
悪さがしたかったのですがね…。」
「もうここまで来たら諦めるしかないな。」
俺たちは立ち上がった。
正面にはあの消滅機が佇んでいる。
「俺らは今日まで頑張って生き延びたんだ!!
みんな、最後まで誇りを持っていくぞ!
……ほこりだけに…!!」
「…最後のセリフ、もう少しいいのなかったのか…?」
そう、俺らは「ほこり」だ。
潔癖症の人間にとってはゴキブリの次に嫌いな敵だ。
そして俺らの天敵はあの消滅機、
通称、「掃除機」だ。
どこの家にも必ず存在するほこりと、
それらを吸い取ることを使命としている掃除機の
熱い戦いが今、始まる…!
12/7/2023, 2:01:47 PM