あれもこれも「大事にしたいから」って抱え込んだ結果、気付けば僕は大荷物に潰されて身動きが取れなくなっていた。色々と荷物を降ろそう。
今も大事にしたいと思うものとそうでないものを改めて分別していくと、なんでこんな物が? ってものがいくつもあった。
大事にしたいと思った過去の僕の気持ちは多分、偽りなんかじゃないんだけど、今の僕にはその時の気持ちがどうしても理解出来なかった。
いつか必要になる、いつか持っていないと後悔する——そんな理由で今日まで大事に大事に抱えてきたものを全て捨ててしまおう。おそらくそんな日は来ないから……。
そうやって心の整理をしているうちに、ようやく僕は思い出した。僕が本当に大事にすべきだったものは、他ならぬ僕自身の気持ちだったんだ、ってことを。あたりに散らばるスクラップの山もそのままに、僕は嗚咽混じりに、いつの間にか痩せ細っていた僕自身の心を強く抱き締めた。
9/21/2024, 8:08:42 AM