※同性愛などの表現を含みます。
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『愛を注いで』
僕は人を弄ぶのが大好きだ。
その人に気があるように接し、相手も僕に気になり始めたらその途端関わるのを辞める。
その時のその人たちの表情が実に面白い。
そして僕は顔だけは良く、僕の周りにはたくさんの人がいた。
本気で僕が中心で地球が回ってると思っていた。
あの日までは。
僕は嵌められた。
とある人に、全く同じことをされた。
どうやらその人の妹が僕にゾッコンだったらしいが、僕に裏切られ、家に籠るようになり、男性不信になってしまったそうだ。
それを許さなかった兄は、僕に復讐をした。
「お前がしていたことと全く同じことをされてどんな気持ちだ?なぁ、お前、本当に楽しかったのか?」
その男が僕のことに好意を持っていないことは1目見て分かる。
けれども、僕は彼なしでは生きていけない。
他の人から好意を持たれてもこの人から貰わないと意味が無い。
どれだけ他人から愛を注がれてもそれは零れてゆく。
この人が嫌がっている姿、僕を睨むその顔、何もかもが愛おしい。
僕は、ちょっとした変化が欲しかっただけなのに。
こんなことになるなんて思っていなかった。
12/13/2022, 12:38:44 PM