名前としてはそこまで珍しく無いけれど、漢字は珍しい、そんな名前。
小学生の頃くらいに、自分の名前の由来を知ろう!という課題が出て、聞いたことがある。
どうしてこの名前になったのか。
「本当はお姉ちゃんに入れようと思ってた漢字なんだけどね」
そう言って教えてもらった理由はひどくシンプル。
花言葉に惹かれてその花の漢字をもらったらしい。
どうして姉と漢字を入れ替えたのか聞いてみた。
「なんかね、お姉ちゃんはこれじゃない!って気がした。それに、お姉ちゃんがこっちがいい!って言ってる気がしたからかなぁ」
母親の勘なのか、もしかしたら違う理由もあったのかもしれないけど、その結果漢字が入れ替わり、当初予定していた名前から変更したという。
新生活が始まる頃、たくさん挨拶をする機会が増えた。どんな漢字を書くの?と聞かれて説明する度に、入れ替わった漢字についての話を思い出す。
姉はどことなく妹のように手がかかった。構ってほしい、話してほしい、遊んでほしい。素直じゃないながらに態度に現れていた。正直うんざりしていたこともある。姉だろ、と何度心中で呟いたことか。
一人立ちした後、姉が遊びに来た。
しばらく会えていなかったからか、構え構えと絶好調。年下のようだと思いながら、なんだかんだ頼りになる姉。
2人で分けられた花のように、名前にふさわしい2人でいれているだろうか。
詳しいことは両親に聞かないとわからない。
もうすぐお盆で帰省する。
その時に、また聞いてもいいかもしれない。
その頃には両親も誤魔化さないで話してくれるだろうか。
7/20/2023, 10:32:15 AM