「ずっと」を永遠だと思ってた。
「ずっと」を一生のことだと思ってた。
「ずっと」を遥か未来の話だと思っていて、「ずっと」をあと数年のことだとも思っていた。
「ずっと」って卒業までのことで、「ずっと」ってたぶんあの一瞬の出来事だった。
「ずっと」
そう舌を転がした時、ちょっとだけ嘘の味がした。きっと期限つきで、終わりがある予感がした。
それでも、そんな予感から目を反らしていたかったのは本当で、だからまっすぐ口に出した。
「ずっと隣にいるよ」
嘘ではなかったんだよ。
後先なんて忘れて、目の前にのめりこんだだけ。終わりが来るって、気づかないふりをしていた。
お題 ずっと隣に -『恋は盲目』-
3/13/2023, 1:25:11 PM