暑い風の中にいる独特な匂いを放つ夏草。
蒸し暑い田舎にある、夏草に囲まれた大好きな君のお墓。
冷たくなった君を埋めて、大きめの石を乗せただけ。
私が中学生の時に死んだんだっけ。
その日も夏草の独特な匂いが漂ってた。
生ぬるい風が頬を撫でるのが気持ち悪かった。
私の大好きなお姉ちゃんが、死ぬなんて思わなかった。
お墓の周りに生えている夏草を抜く。暑いけど、お姉ちゃんのためだから。
夏草の匂い。嫌いだな。お姉ちゃんを埋めた時を思い出す。
あぁ、もう一度会いたいよ。
もう一度だけ、そばに来てよ。
夏草の匂いに包まれて、今日もお姉ちゃんを思い出す。
三毛猫の可愛いお姉ちゃんを。
8/29/2025, 9:58:59 AM