ミツ

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※久々すぎて脱線気味かもです。

歩くたびに、地面にたまった水滴が跳ねる。

そんな雨の日だった。

高橋 波花(たかはし なみか)は涙で顔を濡らしていた。

波花の綺麗な唇は紫色に染まっている。

波花は壊れていた。

たまに少し泣いたと思えば、次に見たときには笑っている。

恐ろしいほど整った顔からは想像できない程汚い言葉を呟き、かと思えば美しい言葉をまるで歌のように紡ぐ。

波花が何を思って、どんな行動をとるか。

それは誰にも分からない。

一切、読み取れない。

波花は嫌に悲観的だった。

金持ちで優しい両親のもとに生まれ、綺麗な顔と素晴らしい“才能”に恵まれたのにも関わらず。

傷つきやすく、流されやすく、そのくせ、いつも誰かを非難していた。

他責思考で、自分を自分で下げることは一切しない。

波花に、親友ができることはなかった。



強い風がふいているとき。

それが、誰かの背中を押すこともある。

いい意味でも悪い意味でも。

海の身投げのスポットがあった。

毎年、沢山の人がそこから逝去する。

市はそこを封鎖したが、今もなお、誰かがそこに忍び込むとか。

高さ約30m。

飛び込むのには多大な勇気がいる。

今を生きることよりも、そこに飛び込むことの方が、楽だと言うのだろうか?

波の花が、見える限りのところを埋め尽くしていた。

これじゃあ、そこに誰かがいても、分からない。


 誰か

10/4/2025, 6:50:43 AM