【#07.もしもきみが】
私がきみに触れると
私は勝手にきみが好きになって
自分の庭を春の陽だまりのような暖かさにさせてしまう
そして
私に花の香りを忘れなくさせる
しばらくきみと会わなくなると
コロッと私の庭は違う花を植え始め
でも久しぶりにあなたに触れると
その花は私の庭を1面に繁殖していく
いろんな花を受け入れて
すぐに花畑を作ってしまう私の庭
いろんな花に触れることで
どんな花にも絡みついてしまう私の頭の庭は
水やりを忘れてしまう花が生まれる
だから周りの花たちはきっと私を私として見ていなくて
他の綺麗に手入れされ、水やりも欠かさずして貰える
美しい庭で幸せそうに咲いてしまう
そんな庭達がくやしくて努力した
でも
私がどんなに綺麗に手入れして、天気を晴れにして
種を巻いても
私の庭は平凡なまま
私が愛してきた何種類ものの花さえ咲せずに
きみは綺麗な庭で咲いている
たとえ私が最愛の1輪への水やりを忘れていても
もしもきみが私の努力に気づいて
花を咲かせようとしてくれるのなら
きみがまたあの陽だまりの庭へ
私の庭からあなたの庭へ
私の、土で汚れた手を
とってくれるなら
きみの香りを感じたい
きみの香りに包まれたい
6/14/2025, 2:22:25 PM