透久野影朗

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【本当の恋】

「それでも恋と言ふならば、恋なのかもしれない」

離れてる時に寂しいのが、恋だと言った。
昼夜なく頭から離れないのが、恋だと言った。
視界にいると目で追うのが、恋だと言った。
前にすると胸が高鳴るのが、恋だと言った。
緊張して顔見れず話せないのが、恋だと言った。
そばにいたいと感じるのが、恋だと言った。
独り占めしたいと思うのが、恋だと言った。
本気で幸せを願うのが、恋だと言った。
恋をした。恋しくなった。

実際は、恋なんてしていない。

ただ、その人が好きだった。
一緒にいると幸せで、その人が幸せだと幸せで、その人と喧嘩をしても幸せで、「恋人だね」と笑いあってても幸せで、然るべき関係位置になっても、それはそれで幸せなのだ。
ただ、本当に好きなだけ、その人の幸せのためにはなんでもやれそうで、その人の幸せのために自分がなにかできた時、より一層幸せで、その人と在る人生そのものが私の幸せだ。
「恋」だとか「恋愛」だとか、それは憧れるだけ、実際は、そんなことよりその人の笑顔が見たくて、幸せな情報だけが聞きたくて、でも、たまに街で見るカップルに何だか妬けちゃって、少し寂しそうにするけど、なんだかんだで、その人といるのが好きで、やっぱり幸せだ。しいて、私の欲を言えば一生そばにいて欲しい。それだけ

恋したんじゃない。恋愛なんてご大層な名前の構造に興味はなくて、ただ、好きになっていつの間にやら愛しているだけ。それだけ

君はどう?

9/12/2024, 11:59:11 AM