スープ

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今はただ、原動力を、今日まで自分を動かしていたはずの理由を、失いたくないのだ。
やっとの思いで、騙し騙しで、ここまで来たのに、その醜い悪あがきを昔話にして笑えるほど、大人になれちゃいないのに。
ここでエンジンを失ってしまえば、もう二度と、それは自分の中には帰ってこないものだと予感できる。
それなのに、アクセルを踏むのが怖い。

本当は分かっている。進まなければいけない、さもなければ、そのうち俺の足はギブスを巻いたかのように固まって、この先もうどこにも行けなくなってしまう。

せめて目の前の障害物を全て吹き飛ばすくらいの、強い追い風と伴走できればいいな。せめて、風と。

5/1/2025, 5:43:15 PM