SOS

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小さい頃、どこの誰かも分からない相手と、星を見ながら話をしたことがあった。

「人ってさ、死んだら星になるらしいぜ。」

『そうなの?』

「そう。だから俺、早く星になってあの星座みたいに他の
 誰かと一つになりたいんだ。」

星に手を伸ばして微笑む彼は、今にでも消えてなくなってしまいそうで、思わず私は彼の袖をぎゅっと握った。

『私もあの星座みたいになれる?』

「…どうだろうな。」

私の頭をポンポン撫でて、さっきよりも儚げに笑う彼。

それが、彼の笑顔を見た最後の夜だった。

10/5/2022, 5:51:34 PM