自ら、利き手を赤く染めた時、それは案外忘れられないものである。道具を通し伝わる感触、錆の香り、響く音。それらは、今でも鮮明に焼き付いている。酷く懐かしいが、酷く面倒な記憶だ。時に、その記憶が私を襲うのだから。当時は、何を思ったのだろう。それだけは、抜け落ちたように思い出せなかった。これ以上、面倒が増えなくて良いが、稀に気になるものである。かつての記憶とは、時に大切な事を思い起こせるものだから。
4/15/2026, 10:15:26 AM