小説
迅嵐※捏造あり
「また来るね、最上さん」
形だけの墓前には一輪の花が手向けられている。
「もう良いのか?時間はまだあるぞ」
「大丈夫。話したいことは話せたし。今日はこのくらいでいいよ」
少し離れた所で待たせていた嵐山と合流すると、おれ達は帰路へ着く。今日はお互いの休みが偶然重なり、月に一度の墓参りに付き合ってもらったのだ。
「何話したんだ?」
「んー、最近キャベツが高いとか、新しく買った洗剤がめっちゃ良かったとか」
「そんな主婦みたいな話してたのか?!」
最上さんにはそんな他愛もない話ばかりしている。たまに任務の事や副作用の話はするけれど、すぐに話題は軽いものへと変わる。
「最上さんが生きてた頃もそんな話ばっかだったし。多分キャベツの値段上がりすぎてびっくりしてると思うよ」
「そ、そんなものなのか…」
嵐山は生前の最上さんを知らない。
(続かない)
2/24/2025, 11:05:29 AM