「何気ないふり」
修正テープケースが目に留まる。
キャラものにしてはちょっと違うがキャラだ。
気になって仕方ない。
好きなジャンルだからだ。
鳥獣人物戯画 それも少し捻りが効いている。
月で餅焼くうさぎのところに透明なヘルメットを被ったカエルが宇宙遊泳で降りて行く所だ。
他にもリフレクターが土偶で栞が埴輪ってなんだ?
「何か用?」
彼女は疑わしそうに僕を見ていた。
「ご、ごめん」
あまりに壺にハマって凝視していたらしい。
「これが気になるの?」
ボールペンまで埴輪が…ついているのを見せてくれる。
「う」
彼女はニヤッとする。
「ねぇ、こういうのが好き?」
周りが僕らしかいない空気になる。
透明な膜があるみたいだ。
「うん。好きだよ。僕達がいない世界での出来事がわかるじゃないか。それこそこの足の下の地面の奥底に文明の跡とかあるかもしれない。誰かわからないけどいたんだってすご‥いと思う……」
しまった。僕は興味に前のめりだ。彼女は話した事などない遠い人だったのに。
「あら、私も好きなの。良ければコレクション見る?」
意外な反応に驚く。
「引かないでね。帰りは予定ある?」
「ない!」
断言した。
ザワザワとした空気が戻ってきた。
誰もいまの事見ていないのか?疑問。
白昼夢かもしれない。
講義が終わり、帰ろうとカバンを肩にかける。
「約束忘れたのかしら?」
大学の門を出ようとしたら後ろから声をかけられる。
「えっ?えー!」
夢じゃなかったのか。
「行くわよ」
なかなか強引だ。嫌いじゃない。うん。土偶のためだ。
彼女は何か確かめるように僕を見ると、口元に緩い笑みを浮かべた。
神社の境内にくる。
夕方の神社は怖い。違う世界と繋がっていると僕は信じている。
「これがあった時代に行きたい?」
「えっ?そうだな。ここから想像するのも楽しいよ」
「は?」
彼女の態度が一変する。怖い。失敗したかのような表情で僕を睨む。
「まぁ、いいわ。試験は半々だから。」
指をパチンと鳴らす。
銀色のカプセルみたいなものが現れた。
「乗って」
押し込まれる。広いな。
「時空警察のスカウト試験合格未満だけど、人手不足なので大丈夫でしょう。目つけてたから、好きそうなもの満載して側でウロウロしてたの。何気なくって難しいのよ。変な人扱いされて。」
勝手にスカウトしてさらうように時空警察は人手不足を補っていた。
僕は慣れない乗り物?に気を失った。
3/30/2026, 10:51:01 AM