壊 玖 麗 秋 エ ク レ ア

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テーマ:雪を待つ

ガタンっ、ガタンっ…
列車が揺れ、それに伴い自身の体も反動する。
「…………?あれ、雪が降ってない…」 
今年の年末はコタツで蜜柑とそばは食べれないからうどんかなあ…なんて想像していたとき不意に気がついたことだった。 列車にのり時間が程なく経ち元々の場所から離れたときのことだった。
こちらの地域は寒々としているためか、秋の時間が少なすぎるといえた。そのため12月上旬にはすでに雪がほろほろと降り始める。
「…でも、雪が降ってないのもこれはこれで…」
雪遊びは勿論楽しいし雪を踏んで足跡をつけるのも子供戻りしたみたいなので楽しい。なので、雪が降っていないだなんてことは考えられなかった。
だけれど、列車から見えるこのすばらしい景色。
これを素晴らしいという以外になんといえばいいか未熟な私はしらなかった。だがそれでもこと足りるだろうとこの時思えた。
家から持参した暖かみを保っているほうじ茶を一口飲み終えるとちょうどつこうとしていた駅についたようだったので鞄を持ち外に出た。
やはり冬なので雪は降ってなくともさむかったが、元々は寒い地域に住んでいたので慣れていた。
さて、これから一人旅。
階段を降りたらまず喫茶店にでもいこうか。というイマジネーションを進めながら、階段を降りて早速最寄りの喫茶店に向かった
からん…という音と共に入ると、暖かい暖房の空気とあまいにおいにつつまれた。 嗚呼、もしかしてここは甘味専門喫茶店だったのか。まあ、甘いのは好きだしそれでもよいはずだろう。
「………やっぱり」
推測通りだった。
アップルパイ、小倉トースト、イチゴタルト…さまざまなスイーツが楽しめるみたいだった
「……あの、注文いいですか?」
「あっはい!ご注文お伺いします…!」
くるりとこちらを向くと随分と古典的な店なのか、メモ帳とペン片手に此方にきた。
「苺フルーツサンド1つ…とモンブランで。」
生憎そこまで腹は空かせていないからふたつたべておいてまだ食べれるようだったら他のを食べよう…と思い、2つだけ注文した。
メモ帳に注文を書いて復唱する店員さんに、ろくに確認もせずそれでいいです、というと去っていく
スマホをショルダーバッグから取り出してラインを確認したりしてひまをつぶす。
それから程なくして注文したフルーツサンドがきた
中々のフルーツの大きさとクリームの多さにここに来るのは本当に甘党な人なのだろうと悟った。
サンド自体が大きいため一口に手間取る。
だけど、甘い生クリームもみずみずしいフルーツもどちらともすばらしく美味しい。
美味しさに浸りながら、ちらりと窓をみると雪が降っていた。 あぁ、これだ。
見慣れた雪を見ながら、2口目を迎えた。

12/15/2022, 10:33:59 AM