人の助けが欲しい時
「誰か」と呼びかけてはいけないと
他人事傍観者決め込まれぬよう
名指し指差しで特定すべきと
人と愛をしたい時
「誰か」と曖昧にしてはいけないと
時間を生命も無駄にせぬよう
必須条件を吟味すべきと
君が君を語る時
「誰か」と有耶無耶にしてくれるな
たった一人の大切なひとを
代えがあるように言ってくれるな
‹誰か›
扉の閉まる音に目が覚めた。
人気の無い空っぽの部屋だ。
カーテンの奥は酷く眩く、
きっとまた遅刻間際だろう。
ベッドから降りて服を拾う。
せめてゴミでも片してやらねば、
奴が少しでも良く寝れるよう。
大した量も箱も袋もありゃしないが、
捨てに行けぬから大差無い。
足のない身で手伝いなぞ、
高が高が知れているが。
奴の道行きの手伝いだ、
成仏までは付き合おう。
‹遠い足音›
「最近さぁ、突然涼しくなったじゃん?」
「わかる、朝晩結構冷えるよね」
「そうそう、だから珍しくしっかり秋が来たなって
天気予報見たの。『夏日』ってあったのよね」
「つまり…一昔前の夏は今のコレ……?」
「多分コレ……」
「こわ……」
‹秋の訪れ›
旅の終わりは何処でしょう?
目的地かしら はたまた家?
旅の終わりは何時でしょう?
満足した時 止まった時?
旅の終わりは何でしょう?
望んだ光景 それとも死?
旅の終わりはどうでしょう?
きっと何か諦めること
旅の終わりには誰になる?
なりたい人に成れている?
‹旅は続く›
10/4/2025, 6:21:06 AM