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麦わら帽子

青空と坂道が交差する
麦わらの乙女は赤い自転車何処へ行くのだろう
忘れていた、宝物を思い出した。

わたしの心の一番やわらかい場所に眠る
夕焼けと日に焼けた麦畑を渡る風の匂い
切り取った時間の片隅で君は微笑む

麦わらの乙女の夏休み
目を閉じれば草笛の歌が聞こえるよ
想い出の、あの浜辺から君の囁きは漣

わたしの心を染める君色の絵の具
陽炎、向日葵、ジリジリと蝉時雨
遥むこうにある、夏の嵐を積乱雲が連れて来る

土砂降りの中、君を探した
夏の終の、覚めやらぬ夢
麦わらの乙女の残り香は、過ぎ去りし

激しく暑い夏を想い起させる

女には最初の恋が故郷
戻ることは出来ない、だからこそ
儚く尊い、夏の日の嵐と濡れた麦わらの想い出。


令和6年8月12日 

                 心幸
               




8/12/2024, 4:35:24 AM