『神様だけが知っている』
例えば自分がいつ死ぬのかとか、
何故この人に出会ったのかとか、
この世に生まれてきた理由とか。
そういうことを知っている者が神なのだとしたら、
私は間違いなく彼らにとっての神なのだ。
しかし、私というのはただの人間で。
この身を組織するものは、
彼らの身を組織するものと大きく異なるわけではない。
それどころか、
私と彼らを同じ次元に置いて見れば、
彼らの方がよっぽど優れた存在なのだ。
とても、申し訳なく思う。
もっと立派な人が貴方たちの神だったなら、
今よりも幸せになれていたかもしれない。
でも残念なことに、貴方たちを生み出したのは僕だ。
自分より劣る者に自分を決められるのは苦痛だろう。
ごめんね。
とはいえ、
このようにして私が彼らのことを考えるということも、
神様だけは知っている筈なのだ。
非常にこの世はマトリョーシカで、
本当の頂点なんて何処にあるのか分からない。
最高神様からすれば、
全てはアスラナスより小さなことなのでしょうね。
___________________________________________________
アスラナス……高校生の頃の僕が考えた、
今よりずっと未来で見つかる、
ミジンコよりも小さな微生物。
7/4/2024, 10:55:56 AM