地下迷宮四階層『光源洞窟』
「どーすんの、これ」
「どうしようね、これ」
パラパラと舞い落ちる埃に、不自然に形を取り戻していく天井を二人で呆然と見つめる。
強制的に一階層下に落とされる超古典的な罠、落とし穴に引っかかったのである。二人して。
そろそろ昼食を、と焚き火の用意をしていた仲間には当然申し訳が立たないが、今はまず合流することを考える方が先決だろう。
そこで問題となるのが、階層の行き来を阻む外敵種である。しかも三階層と四階層を塞ぐ敵は、相性の悪い事に能力低下耐性を持ち合わせている。
過去の戦闘でも、特に足でまといだったのを覚えている。
「取り敢えず、階層付近まで行こう。戦うかはそこで決める」
地図を広げて、その場へ向かう。それほど遠くもない距離が、今は異常に遠く感じた。
「距離」
12/2/2023, 10:00:58 AM