ライ麦粉

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 こうして置いた最初の一文字が、一番悩む。これはホントの話。

 漠然としたイメージがあるから、無ではない筈なんだけど。いざ打ち出してみたら、なんだこれは。我ながら気持ち悪いな、全く一致しないじゃないか。
 原稿用紙をくしゃくしゃくしゃ~って、文豪とかが悶えてるシーンはなんか想像つくけど、確かにやりたくなる……実際は画面の中なので、スマートフォンをぶん投げたくなってる。流石に自重する。

 ただ、思い通りに描けたとしても、ドン引きすることはままある。笑うしかねぇ、みたいなテンションで、まあ、でも、なんか出来たから、取り敢えず投稿してみる。

 どちらにしても、嫌悪嫌悪。生み出した世界、環境で、生み出した言葉を発する誰か、受けとる誰か。それは私の文の上でしか居ない筈だけれど、それでも。絶叫させて、心を抉って……まあ、高い壺割ったみたいな気分になる。代弁者? それでも、心の真に触れる言葉が描きたいんだ。ごめんね。

 ああ、でも。いずれにしても、私の想像の中で完結しようが、ここに書き出そうが、私の中では、どんな言葉も、物語も、0のまんまです。

 私の意図も、伝えたい事も、何も何も関係なく。

 読まれて、人の中に入って初めて、にょきにょき言葉が生き始める。想像されて、十人十色に紡がれて、万通りの解釈が生まれて。
 やっぱりそこが、スタート地点じゃない?

 一方通行、着払いで勝手に送りつけた0からの景色を、情緒を、これからも楽しんで頂けたら幸いです。

【0からの】

2/21/2023, 10:30:46 AM