願いが1つ叶うならば(創作)
何気に机の引き出しを開けると奥の方に少し色が変色した消しゴムが、私を待っているかのように転がっていた。
「…さはら…?」
あー…この時は、笹原君が好きだったんだ。6年生の時に転校してきて、足も早くて、典型的モテる男の子だったっけ。懐かしいなぁ。
好きな人の名前を消しゴムに書いて、誰にも知られずに全部使い切ると恋が叶うということでひたすら消していた。
そんな夢みたいな事が起きるわけが無いと思いながら、全力で消してたけど使いきれなくて途中でどうにかなっちゃってたのね。
あれから11年経ったけど、彼はどうしているのかしら。みんな、元気かな。
もう一度ひたむきに誰かのことを好きになって、ひたむきにバカバカしい占いを信じていたあの頃に戻ってみたい。
3/11/2025, 7:20:27 AM