冷たい葬式の空に、清らかな煙がたっていた。君はいつもと同じ、あどけない笑顔をみせていて、ときどき親戚から注意をされていたほどだ。「すごい煙だねえ。」と、目を細める君の、その小さな耳についていた黒真珠がきらりと光る。はじめて、君の涙をみてしまったのだと思った。思い出にもならない、遠い日の記憶。
7/18/2023, 10:01:42 AM