『届かぬ思い』
どうして伝えたいことほど、言葉にはできないのか。
本当に言いたいのはこんな軽口ではないし、こんな愛想のない返事ではなかったはずだ。
それなのに、この口から溢れる言葉は自分の純真なる本心を、喉かどこかにある奇妙なフィルターを通ることで、少し歪んだ言葉が流れ出す。
言葉を少し歪めれば、それは全く違った意味になってしまう。
本当は素直に好きだと言いたいのに、好きかもと言ってみたり、素直に会いたいと言いたいのに、明日空いてる?と聞いてみたり、そんな無数の失敗が脳裏に浮かんでは消していく。
どうしてか、そんな気持ちを込める時は驚くほどに素直な言葉が溢れてくる。
ここで出さずにさっきやれと自分で自分に言いたくなるが、そんなことは徒労に過ぎず、こうやって失敗したと悶えることが、人間の定めであり希望であるのだろうと、何故だか少し自信が湧いてくる。
これもまた、気持ちを吐くことの良いところであるのだろうか。
次にまた、気持ちを伝えるときが来て、そのときにはもう少し、自分に素直になれたら良いな。この思いが届けば良いな。
4/16/2026, 5:59:50 AM