お題『寂しさ』(昨日スキップしたので)
「一人で寂しそう」
「あなたのことを大切に思ってくれる人がきっと現れる」
っていう言葉を聞くたびに、「余計なお世話じゃい」と思う昨今。
人生何年か生きてて思う。私は案外一人で生きていけるって。
それは一時期、一人で暮らしていた時に実感したのだ。たしかに人といる人生は楽しいけど、一人の人生だって楽しい。誰にも気を遣わず好きなものを食べ、好きな番組を見て、好きな音楽を聴いて、時々一人で楽しむジムとかゲームとかそういった趣味をする。
一人でも自分の心を満たすことは十分できるんだ。心からそう思ってる。
だけど、こう言ってることがもしかして「強がり」だと思われてる気がする。
お題『ベルの音』
「うちにはサンタさんは来ないよ」
小さい頃、毎年のようにお母さんが言っていた。そうだ、僕の家はびんぼうで、みんな「サンタさんから何もらった?」なんて話をされるたびにさみしい思いをしていたけど、何年か経ったら『サンタ』なんて存在はただの空想だってことに気がつく。
それに気がついた小学三年生の僕は、まだサンタの話をしているクラスメイトを見て内心優越感に浸っていた。
だけど、ふしぎなことが起きた。
それは、僕が小学五年生になった頃だろうか。
クリスマスイブの夜中、急に目が覚めて眠れなくなってしまった。その時、窓の外からなんだかシャンシャンシャンシャンという音が聞こえてきた。
僕は気になって窓を開ける。外は雪が降っていたけど、構わずベランダに出た。だって、外には赤い帽子をかぶった老人がトナカイにそりをひかせて空中を走っているのが見えたから。それが僕の方に向かってくる。
しょうじき、目を疑った。
だけど、僕の家の目の前でサンタさんがそりをとめ、そこからベランダに飛び乗ってくる。
「な、なに?」
僕が警戒していると、サンタさんは四角い箱を渡してきた。光沢がある包み紙にリボンがかけられている。初めて見るものだった。
「これを僕に?」
と言うと、サンタさんは頷く。プレゼントを受け取った僕は「ありがとう!」とサンタさんにお礼を言うと、サンタさんはそそくさとそりに飛び乗った。
トナカイが頭を揺らしてベルを鳴らす。
それからまたシャンシャン鳴らしながらサンタさんがまたどこかへ去っいくのを見つめた。
プレゼントを手にした僕は、部屋に戻った瞬間すぐ眠ってしまった。
きっとこれは夢かもしれない。その次の朝もそのプレゼントはあったけど、サンタさんに会ったと言ったら、お母さんは、「そんなのいるわけないでしょ」と言うだろうから。
だから「お母さん、プレゼントありがとね?」と言ったらお母さんがきょとんとした顔をしていた。
「それどこで貰ったの?」
聞かれたので、本当のことを言っていいか迷ったけど
「えっと、サンタさんから」
と言うと、お母さんは最初おどろいた顔をしていたけど、その後「そう」と笑って頭を撫でてくれた。
その後、僕の家にサンタさんは来ることはなかったし、うちにプレゼント買う余裕もなかったけど、僕にとっては忘れられない思い出になったんだ。
12/21/2024, 2:23:50 AM