誰よりも、ずっと
誰よりもずっと近くでお前を見てきた。ずっと一緒にいたから、お前がカッパの都市伝説を信じて夜眠れなかったことだって知ってるしお前の初恋の相手だって知ってる。初恋の相手は隣のクラスのハルちゃん。一緒の委員会になれたって喜んでたな。でもハルちゃんは俺のことが好きだったらしい。ある日の帰りお前が俺に「ハルちゃんお前のこと好きなんだって」って泣いて言われたから俺は正直に「ふーん。眼中にもなかった」って返したらめちゃくちゃに怒られて3日は家に迎えに行ってもいくら話しかけても無視されたなんて事もあった。
誰よりもずっとお前のこと知ってる自信あるし好きだって自信もある。お前をこの世界の誰よりもずっと幸せにできるって自信だってもちろんある。ただ、俺にはお前に自分の気持ちを告げる勇気はないんだ。今まで築き上げてきたこの関係が変わってしまうのが怖い。もし、お前に拒否されて友達ですら居られなくなってしまったら俺はどうすれば良いのか分からない。
これから先の俺の未来にどんな形であろうとお前が隣にいて欲しいから、この一歩を踏み出す勇気がでない。
だけど、誰よりもずっとお前のこと近くで見てきたからお前が人の気持ちを踏み躙る真似はしないって知ってる。
だから今、お前に俺の気持ちを伝えてみようと思うんだ。
「なあ。誰よりも、ずっとお前のことが好きなんだ。」
4/9/2023, 10:39:38 AM