やぎ

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真っ暗だった
何も見えない
ずっと前へと歩いて・・・
どこへ行けばいいのかもわからず歩き続けて・・・
もう、足があがらない程歩き続けて・・・
とうとうその場しゃがみ込んでしまう。


────寂しい

────苦しい

────助けて


そのまま暗闇にのまれそうになったその時

『────!』

なにかが聴こえた気がした。
顔を上げて辺りを見回す。

『────────!!』

また聴こえた。
最後の力を振り絞って声の方へと歩き始めた。
少し歩くと一点の光が見えた。

『────!!!』

あぁ、君の声だ。
呼んでいる。
泣いている。

光が徐々に強く、大きくなっていく
暖かい、力が湧いてくる。

逢いたい
早く逢って、君の涙を拭ってあげたい。
今行くから・・・泣かないで・・・

重い足を引摺りつつ歩き続けた。
たった一つの・・・希望に向かって




3/2/2023, 2:24:57 PM