ハリネズミな朱色

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小さい頃内気で身体の弱い私はいつもひとりだった
そんな私に声掛けた君
君とはすぐに打ち解けて
帰り道 まさかのお向かいさんが君の家だったなんて本当にびっくり
私がいつものように体調崩した時
心配して良くお見舞いに来てくれたっけ
少し元気になって、家で遊んでた時
姉さんのキーボードの練習が聞こえてきて
小さく口ずさんでいたら
「歌めっちゃ上手い!!」
そう言ってくれた
それから数年後
「誕生日プレゼントでベース買ってもらったんだー( ー̀ωー́)」
「えっすごい!!」
私もお父さんからもらったギターを引っ張りだす
「おぉ〜(*ºoº*)」
その様子を見ていた姉さんが微笑んで
「バンド やってみたら?こう見えても、わたしキーボードできるけど?」
こうして、とあるバンドが結成された
あの頃の私達はこれからもずっと一緒だと思ってた。

何年か経って私の身体はすっかり治って、バンドに打ち込む日々

ある日

君が倒れた
そういえば、初めて君に会ったのは病院の一室だったなぁ...
思えば君も身体弱かったんだなぁ…
でもそんな風には見えなかった
もっと早く気づいていたら…
「どうってことないって」
君はそう言ったけど
沢山の管に繋がれた君を見て
その言葉を信じれるほど馬鹿じゃなかった
そのうち面会謝絶になって
大病院へ転院して、家も引越して行った。
もうバンドは辞めようって思っていた
でも
面会謝絶になる直前
「歌うの辞めたら許さないからね。バンドのベース は誰にも渡さないから」
その言葉が頭から離れなかった
......
念願のライブは大成功
見事有名バンドの仲間入りを果たした。

ツワーで毎回恒例のあの曲
「私が歌い続けようと決めたきっかけ、私達の空いたままのベース担当 、貴方に届くように」
『歌います』
....

ライブ後に楽屋にある人が訪ねてきた

ギター兼ヴォーカルの子は涙が溢れてる
何事? と出てきたキーボードの人もその人と顔を合わせると目の色を変えた。

ヴォーカルの子は涙声で言った。
「とどい …て…よがっだぁ…」
キーボードの人はヴォーカルの子の背中をさすりながら涙を堪える
バンドがどうなったのか ある人とは誰だったのか
それは誰にも分からない
ただ分かること
それは
あの曲が知る人ぞ知る隠れた名曲になって
様々な人達の背中を押しているということ
それだけだ






#あなたに届けたい

1/30/2026, 11:00:53 AM