優しさ
「生徒会長 これ部費の計算合わないんです どう計算しても もう一回計算し直しさなきゃ駄目ですかね?」
「そうねえ...」私は、渡された計算書に目を通す。
(これは、もう一度やり直した方が良いかもしれない...) 私は、聞いて来た
会計の人にやり直しを頼もうと顔を上げる
「これ もう一度....」私がそう言い掛けた
時 「終わった 早く帰ろう!」別の子が
会計の子に話し掛けた。
「えっと...」会計の子が困った顔で
その子を見る。
私は、それを見て 咄嗟に...
「私がやって置くから帰って良いわよ!」
会計の子が私を見て 戸惑った表情を見せる。
立ち止まる様に動きを止めるが
私は、もう一度同じ言葉を繰り返し
会計の子を促す。
「友達を待たせたら悪いわよ 大丈夫!」
会計の子は申し訳なさそうに私に頭を下げると 友達の子と連れだって 生徒会室を
後にした。
私は心の中で またやってしまったと
胸の中でため息を吐く
そうして部費の計算書をもう一度
資料の方と照らし合わせて 電卓を叩く
放課後 夕日が差し込み 空が紫と赤の
コントラストを作り出した時
私は、校門を潜ろうと足を踏み出すと...
校門の壁に寄りかかる様にしゃがむ
人影が映った。
私はその姿を見て苦笑して...
「また先生に呼び出されたの?」
「うるさい!お人好しに言われたく無い」
そこには、制服を着崩して ボタンを緩め
制服の上着を肩に掛けて
不機嫌そうに私を見上げる
幼馴染みの姿があった。
また喧嘩でもしたのだろう...
私の幼馴染みは、所謂 不良と言われる
部類の人間だ。
でもこうして 呼び出されて遅くなったからって ついでみたいに私を待っててくれる。
その優しさを知る人は、あまり居ない
同じ様に....
「また 仕事引き受けたのかよ!
お人好し!」
私が必要以上の仕事を引き受けてしまうと
言う性格を分かってくれる人もあまり
居ない....
私は、幼馴染みを見上げて苦笑し....
「じゃあ帰ろうか...!」と幼馴染みを
促し先を歩く
幼馴染みは 不機嫌そうな顔をしながら
私に付いて歩く
こうやって自分の事を分かってくれる
人が一人でも居る事が たまらずに嬉しい
事だった。....。
1/28/2024, 3:05:06 AM