私は、その時を待っていた。明日、アレがやって来る。今回は大勢の軍隊を率いてくるそうだ。中には人間もいるというからたちが悪い。刀を磨いて、銃を手入れして、服装を見直して、最後に荷物を片付ける。もう慣れた作業だ。この家ともお別れかと思うと、少し惜しい。私好みの、落ち着いた雰囲気がとても気に入っていた。桜石がはまった懐中時計の針が、十一時を指すのを見て、真っ暗闇に明日世界が終わるなら
5/6/2024, 12:08:56 PM