「討伐ゥ!討伐ゥ!!鬼舞辻無惨破レタリィ!!」
青天の霹靂。晴れ渡った空に雷が降るように突然起こること。雷こと黄色の蜻蛉玉を首に下げた鎹鴉が一羽、青天の屋敷にバサバサと舞い降りた。羽を畳み、2本の細い足でこちらに向かって来る姿はもはや人であろう。
「そうか、遂に終わったんだね」
伝令ご苦労さま。長年傍にいてくれた私の伝令担当だった彼にそう労いの言葉をかけてやると、嬉しそうな、どこか擽ったそうな様子であった。長かった。本当に、長かった。
「終ワッタ!鬼ハ消滅スル!シノブ、言ッテタ!アト助手モ!」
「こら。昴、しのぶさんでしょ。それか蟲柱。呼び捨てにしない」
無礼な発言だと捉えられても仕方ない昴の言葉を叱りとともに訂正する。そうだった、とは言ったが恐らくまたやらかすだろう。全く、何年経っても戻らない悪癖なんだから。
「……羽依、嬉シクナイ?」
5/30/2025, 2:58:58 PM