「魔法が使えそうな夜だねぇ。」
「今日は綺麗な満月だよ」と君に教えてもらったので、そう返した。言ったあとでちょっと恥ずかしくなったが、語尾に「!」までついた同意が返ってきて嬉しくなる。子供じみた発想でも決して馬鹿にしないところが、私が君に惹かれた理由の一つである。
どんな魔法を使いたい?と聞くと、空を飛んでみたいという答えが返ってきた。
いいね、空中散歩。うわ最高。いつかしようね。したいね。
そんな会話が続く。
まあ非現実的で不可能なのは二人とも重々承知しているが、想像上では自由だ。絶対楽しい、空のお散歩なんて。しかも君と二人。
きっと周りには誰もいないから、お互いの好きな歌でも歌いながら、流れ星を探しに行こう。
そんな空想の中で私は、君と飛び立つ。
8/21/2025, 11:15:43 AM