「ねぇ、ここどこ?」
いつのまにか周囲の景色は、見慣れた公園から不気味な神社へと変わっている。
公園で遊んでいたら、男の子が一人、声をかけてきた。
もっといっぱいあるところに連れて行ってあげる。
ほら、と見せてくれた手のひらには、きらきらと輝くガラスの破片。佳子が集めていたモノよりも角が丸くて綺麗で、まるで本物の宝石のようだった。
大喜びで男の子に手を引かれるまま、こうしてやってきたのだけれども。いつのまにか日は暮れかけていた。空の端に見えるオレンジ色の空に佳子の不安が募る。木が風に吹かれてざわざわと、まるで意思を持っているように揺れた。
足元の枯葉がカサカサ音を立てる。
ふと佳子は気づいた。
男の子の足元からは、何の音も聞こえないことに。でも枯葉は同じように踏んでいる。だから、音は出るはずだった。
いや、出ないといけない。
「ね、ねぇ!ここ、どこ__」
「もっといっぱいあるところ」
振り向いた男の子の、顔の部分にあったのは
2/19/2023, 10:43:16 AM