今年に入って、わたしは悪夢ばかり見ていた。屋根が崩れ落ちる、雨漏りがしてリビングがズブズブになる、大雨が降って散乱したゴミが家に押し寄せてくる…などなど。家に関する悪夢を何回か見た。最後に見たのは日記によると、3月の中頃だった。
なんとなく不安がヒタヒタと押し寄せてくる感じがしてた。
今年の最大寒波の大雪の影響で、ご近所さんの屋根がとんでもないことになって、4月の中頃に修繕工事を行うとの事だった。そこを請け負う地元の業者が挨拶に来た時、当然営業も兼ねてのことで、「お宅の屋根が、」との話しになった。ついでということで屋根診断をしてもらうと、『やっぱり……』の状態で、修繕費用は屋根と壁あわせておよそ400万ほど。
業者の話しによると、今やらないと、悪夢が現実になるところまで来ていた。悪徳業者のヨタ話ならいいのに、と思った。
ダメ元で保険会社に連絡して査定を受けた。仮に保険が下りたとしても、焼け石に水だと思うけれど……保険会社から派遣された一級建築士の方がこれまた良い人で、いろいろアドバイスをして頂いた。それでも400はかかりそう…下手すると500。幸か不幸か、地震保険がおりる事が決まった。つまり、一部損壊してた。
近年の直下型の地震があったことが一番大きかった。屋根がそんなにダメージを受けていたとは…………
保険担当から「因みにお見積はどちらの工務店になりますか?」と、聴かれて答えると「あぁ、あそこなら大丈夫ですね」との事だった。悪徳業者じゃなかった。
でも大丈夫も何も……もう、コープによく入ってくるチラシで、やっすい塗りパックで間に合わせるか…と考えて見積もり申し込みしたら、その担当の人も良い人で、「屋根の部分修繕は難しいし、専門職人でないと後々大変だから……」という事で、ここでもアドバイスをもらって、コープでの安パックは取りやめた。
さて………、夫婦の危機は金問題から…、うちも例外ではなく、何度も氷山にぶつかって底冷えの時期があった。
ここに来て数年ぶりの大寒波か、一昨年わたしの車を買ったばかりで、ローンは組めず。というか、ローンは危険。
もう、このまま放置して南海トラフで崩れて共に死のう。となった。だって、無い袖は振れない、ムリ。
最初の業者さんが、なんとかなるから諦めないでと言ってくれて、当初の見積もりより安く修繕できる事に決まった。ご近所で十数件の仕事が入ってるからそれで費用を抑えられるとの事。担当さん曰く、「仕事の数をこなすので、なんとかなりますから大丈夫」
業者の儲けまで明らかにしてくれて、
こんな儲けにならない仕事で大丈夫だろか。。
とりあえず夫と壁の色をどんな色にするかあれこれ話しているうちに、心配や不安よりも、嬉しさが大きくなった。この感覚は、やっぱり大切なことだと思う。
夫婦で繋いでいくのは、作っていくのは新しい縁だと思う。夫婦の縁はもう決まってるから、他人との縁を繋いでいくこと。
二人だけで乗り越えられることなんて限られてるし、自分が持っている運も限られてる。
歳を重ねれば重ねるほど、他人との縁が大切になってくると思う。どういうふうに受けた恩を返していけばいいだろうと考えた時、やっぱり他人のために身を粉にするしかないと思った。そこは夫とも一致していて、もう、それで充分。
今年もゴーヤを植えて芽が出てきたところ、それを担当の人が気づいて、「足場組む時、荒らさないようになんとかしますよ」と言ってくださった。しかも代金は、 保険が入金されてからでいいですよ、と。この人、……神様の御使いだょ……、と思った。
優しい雨音だとしても、今は怖い。早く屋根を直したい➰➰➰
5/26/2025, 9:03:35 AM