ラフロイグ

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絶望の淵に突き落とされた気分だった。
敗者の烙印を押され、一生苦しみながら生きていく人生なんだと、私は勝手に解釈してしまっていた。
ママは一緒に泣いてくれたけど、パパは何時ものパパだった。

3日ほど経った夜の事だった。
突然パパが私を外へと連れ出した。
いや、正確に言うとアイスクリームが私を連れ出した。

10分程車に揺られ、最寄りのコンビニへ。
その駐車場で二人アイスを貪り食べた。

3日振りの世界は3日前と変わらず存在していて、3日振りのアイスクリームは相も変わらず私を夢中にさせた。

「やっぱ、うめーな!ハーゲンダッツのグリーンティーは!」
「いやいや、ミルクが至高でしょ♡」
いつものお決まりのやり取り。

最後の一口というところで、私の涙腺は決壊しポタポタと涙が溢れて止まらなくなってしまった。

「うわっ!外気温-3℃だってよ!こんなにさみー深夜にアイス食べてるなんて俺達ぐらいじゃね?」

そういうや否や、パパは車の窓を全開にして、寝静まった街を「うぉぉぉぉぉぉ」と叫びながら車を走らせた。
突然の出来事に私は泣くのを忘れ呆気にとられていると

パパはニヤッと笑いながら「I SCREAM!」と言ったもんだから、腹を抱えて笑っちゃった。3日振りに。

嗚呼、なるほど。
コレは私への「愛 SCREAM」

何があろうとも何も変わらない。
そんな世界が私にはある。
絶望なんて私の世界には存在しない。
今までも、そしてこれからも。


——— 旅の途中 ———

1/31/2025, 3:07:04 PM