黒猫

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______怖い。
あの人は本当に私を攻撃しない?

彼女と初めて言葉を交わした翌日、物陰から彼女を観察する。
排他的な思考が蔓延る村の中で、
誰も私を歓迎する人はいない事が、痛いほど分かってた。

そんな時に話しかけてきたのだ。
銀糸の髪に青の瞳、まるでお人形のような外見。
朗らかに笑い、気安く私にふれる。
それが、怖かった。

いい人のフリをして、近付いてくる人もいる。
あの人も、同じじゃないの?
_____本当に信じていいの?

「黄金の髪も鶯色の瞳も、怯えながら人を信じようとする姿勢。みな大好きよ。」

「…………!!」

「あなたが変わろうとする姿勢は歓迎するわ。それはあなたが選んだあなた自身の成長だもの。」

しゃがんで目線を合わせ、傷だらけの頬に触れた。
彼女の瞳の奥にある、寂しさが見えた。
この人も、同じ。ひとりぼっちだったんだ。


「………うん。」

白くまろい手に触れる。
暖かい。
人肌の温もりを教えてもらった日。

5/22/2025, 11:04:32 AM