「ついに卒業か〜。」
「なんか3年間って意外と早く感じたわ。」
「確かに、特に3年になってからはあっという間だっ
た。」
「それな、なんでなんだろうね。」
「うーん、なんかやらなきゃいけないことがいっぱい
あるからじゃない?」
「何かに没頭してる時間が長いからってこと?」
「そんなとこじゃない、実際はわかんないけど。」
「私、別に何にも没頭できてないけどな〜。」
「そう?勉強頑張ってたじゃん。」
「まあ勉強はね。」
「それで国立受かってるんだからスゴいよ。」
「親の言いなりでそれしか選択肢がなかったからよ。
あんたは上京して一人暮らしするんでしょ、スゴいじ
ゃん。」
「そんなことないって。…これからは別々だね。」
「そうだね。寂しい?」
「うん、まぁ…。」
「・・・」
「あの「あのさ。」
「…先、どうぞ。」
「え、いや、そっちからどうぞ。」
「いや、私は後でいいから。」
「じゃあ、私から言うけど…こんなこと今更改まって
言うことじゃないかもしれないんだけどさ、これから
も、親友でいてくれる?」
「…本当に、今更何言ってんのよ。当たり前じゃ
ん。」
「…ありがとう。」
「…なんで泣いてんのよ。」
「あはは、なんでだろうね。」
「別に一生会えなくなるわけでもないんだから…も
う、あんたが泣くからうつったじゃん!」
「ごめんごめん。…で、あんたは何を言おうとしてた
の?」
「…別に、何でもないよ。」
涙の理由を彼女のせいにした。
これからも親友でいたいなんて私は望んでない。
本当の想いを伝えることができなくて、涙が堪えきれ
なかった。
9/27/2025, 4:01:09 PM