🐾 君と紡ぐ物語
銀色の朝。
まだ少し肌寒いリビングで、君は丸まっている。
クロ。
黒い毛並みが、夜の残りのように鎮座している。
私にとって、君といる時間は、
いつも物語を編んでいるみたいだ。
大層な出来事なんて起こらない。
ただ、君が隣で「くうん」と小さく鼻を鳴らす。
その音を聞き逃さないように、
そっと耳を澄ませる。
散歩道で出会う花や、
濡れたアスファルトの匂い。
君が夢の中で小さく走っている足音。
全部、ささやかな詩になる。
君は知らないだろうけれど、
私は君と交わす視線の中に、
たくさんの言葉を見ているんだ。
それは、私だけが読める行間。
ありがとう。
今日も、私の物語の隣にいてくれて。
11/30/2025, 10:54:57 PM