Rei

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[綺麗事じゃなくて]

星空の下、私が1歩踏み出したとき君は私を引っ張りあげて助けた。私が少し落ち着くと彼が優しく「どうしてそういうことをしようとしたの?」と聞いてきた。少し言うか、躊躇って俯きながら
「私には生きてる意味がないし、何も出来ないから」と呟いた。
『皆も頑張って生きてる』とか『今は辛いかもしれないけど頑張れば報われる』とか『しんどいのは貴方だけじゃない』何千回も聞いた見当外れなセリフを言われるのかな。そう思うと憂鬱になってフードを引き下げる。
でも、君は「じゃあ、僕が君の生きる理由になるよ。君は僕と毎日話してよ。そうしてくれると僕は幸せになる。人の一人を幸せにするだけでも難しいし凄いことなんだよ」と温かい笑顔で言った。

それから君と過ごす毎日は新鮮で知らない事ばかりで世界はこんなに楽しくて温かいんだと気付かせてくれた。

「私に生きる意味をくれて、ありがとう」と小さく言うと彼はあの時のように優しく微笑んでくれた。

4/28/2024, 1:02:37 AM