真夜中
なぜだか、いつもより長く感じる。恋人といると時間が早く過ぎる気がする、というのは迷信だったのかもしれない。
「…ねぇ、何考えてんの。俺以外の事考える余裕でもあるわけ?」
「…お前の事考えてたんだよ…」
深夜零時。所詮真夜中だとか言われるような時間帯。
何をしているのかと問われれば、…夜の営み、とでも言うのだろうか。この行為は。
「…なぁ、本当に何考えてんの?」
「そこまで不安がらなくても…。特にこれといった事は考えてないよ。」
「ふぅん…。…じゃ、頭の中俺で埋めてくれよ。…ほら、こっち集中して。」
「…っん、」
暗い部屋。カーテンから覗く月明かり。
…夜はまだ長いらしい。
5/17/2024, 12:10:58 PM