星乃威月

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炎天下

ソヨソヨと日差し遮る木々の下、葉が靡く

涼しい風がそよいで、優しく肌を撫でた

赤く火照った体

徐々に羽のように軽くなる


ここは天国か?


羽が映えたように安らぐ

自然と一体になれた気がした


幸せだ

◇─◇─◇

ジージー、ジージー……

微かに聞こえる、懸命に鳴く蝉の声

コンコン、コンコン……

永遠と湧き出る、清らかな湧水

サラサラ、ソヨソヨ……

草木を撫で流れる、小川のせせらぎ


目を閉じれば、木々が生い茂る森の中

大自然の中に居るかのようだ


小鳥の囀りは、もはや子守唄か?

◇─◇─◇

青々と生い茂る深緑の葉の隙間

燦々と降り注ぐ真夏の太陽

光に照らされ、目が眩む


夏空を背景に、青々と映える入道雲

上は天使のように真っ白なのに

下は灰色かかっている

天まで届きそうな、大きな大きな入道雲

既に下の方では

今にも雨が降り出していそうだ


あれは、大きな巨人兵か鬼か?


天の使いかのように、雄大と流れゆく

◇─◇─◇

頭上は、雲ひとつない晴れた空

暫し時を忘れる

ゆっくり、ゆっくり……と


この一時が

この自然溢れる眺めと景色が

この場所が

永遠に続けばいいのに……と

切に願えてならないのだ


けれど……

月日は巡り、季節も巡る

時代と共に、人工物へと移り変わる


どんなに願っても

幼き頃に見てた景色は

もう、二度と手に入らない……


分かってる

分かっていながら

昔の純粋だった景色や心を切に求め

心の拠り所にしてしまうのだ

◇─◇─◇

もう、変わらないでいてほしい……


抱いた気持ちは

未だに拭いきれはしない


このまま、時が止まればいいのに……


唯一昔に思い馳せられる場所

心の拠り所となる自然は

今もこのまま

永遠に残っていてほしい……


天を仰いで、まだ見えぬ星へと切に願った


大自然溢れるこの地球を

このまま守っていてくれ……と




ー揺れる木陰ー

7/18/2025, 8:12:53 AM