踊りませんか?
斜陽が優しく左頬をさす
まるでピアノ椅子に座る私にスポットライトを当てるようだ
ぽろん。
心の空気感を読むように柔らかい音が、音楽室に響く
最近のブームであるワルツを足場を確かめるように奏でる
穏やかな世界に新たな光を差すように、かなちゃんが視界の端からひょこっと現れた
「踊ってもいい?」
スポットライトを浴びた彼女がそう言うと、私は手を止めることなく目線だけでいいよ、と言った
心地よくワルツのリズムを刻む私と、それに合わせて彼女が好きなバレエを踊るかなちゃん
その空間は間違いなく2人だけの世界で。
言葉を交わすことなく2人は、この手を離さないことを誓った。
10/4/2024, 1:57:51 PM