佐倉光潤

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「花束」

私は幼い頃、目立つことがとにかく苦手だった。

お誕生日でお祝いされるのも家族でだけがよくて、

お店でバースデーソング歌ってもらうのすら苦手。

誕生日でも、家で食事するのがいいと言うほど。

そんな訳で、花束も私は苦手だった。

みんながもらう場面でなら貰えるが、

一人だけ注目される場で貰うことはできるだけ避けたい。

それでも、一度だけ貰ったことがある。

退院祝いに叔父からいただいた花束。

あの花束に込められた気遣いや心配を含めた

気持ちは、とてもありがたくて…

もっと喜んでありがとうと言える私でいたかった。

きっと、自分に自信が持てたら、

花束もバースデーソングも笑顔で受け取れるはず。

そんな自分に私はなりたい。

2/9/2024, 11:11:08 AM