スキマ

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世界が終るときに生きてる保証なんてどこにもない。
むしろこっちの方が先に終わるのでは?なんて君が笑う。そうだろな、と思いつつも君が終わるなんて考えられない。きっとそんな想いを抱えてるなんてこれっぽっちも理解していないんだろうけど、とあの時はほろ苦い気持ちを無理やり飲み込んでやり過ごした。

あれから幾度もの夜が過ぎ朝を迎えた。幾人かの大切な人が逝き、同じくらいの人と出逢った。ケンカもしたし、会えない日もあった。それでも相変わらず君は今でも隣で笑ってる。日を追う毎に輝きを増す君を横から眺めていると時間なんてあっという間だ。

「ねぇ、いま何考えてる?」
「何だと思う?」
「質問に質問で返すのよくないよ」
「そりゃいつだって君のこと考えてますよ」
「見え透いた嘘もよくないと思います」
「……」
「嘘じゃなかった?」
「どうしたら嘘じゃないって伝わるかと思って」
「難しく考えなくていいのに」

そう言って近づく君の顔をスローモーションで眺めながら思う。やっぱり君の終わりなんて考えられない。
でも、こんな終わりなら人生捨てたもんじゃないな。


世界の終わりに君と

6/7/2024, 12:15:41 PM