ににににににに

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#半袖

「あっつー」
パタパタと服で扇ぐいるま。
「なんでお前長袖来てんの?暑くね、?」

「ううん、暑くないよ」
「タオルいる?扇風機もあるよ」
小型の持ち運び出来る扇風機をいるまに見せると、いるまは俺を崇めるように扇風機を受け取る。

「まじ神、借りるわ」

「ん、」
早速扇風機の電源をつけて涼むいるま。髪が風の方向で少し靡く。ふと、いるまが何かに気付いた様に俺に向き直る。

「ちょっと腕貸して」

「え?なんで…」
ぐいっ
差し出すのをほんの少し渋っていると腕を引かれる。いるまが俺の服の裾を捲ろうとするのが分かった。

バチンッ

「っ…、あ、ごめ…」
思わずいるまの腕を払いのけてしまった。強くやりすぎたかもしれない。

「いや…、別にいいけど…」
少し驚いたよう。あぁ、どうしようどうしようと慌てるが、いるまは先程の事を気にしていないように俺の頭に手を置く。
「無理すんなよ」

「…、うん」ニコ

あぁ、切り傷とアザで塗れた赤と青紫の腕が憎くなる。
この腕がもっと綺麗だったら、いるまが愛してくれるのを素直に受け入れてたのかな
もっといるまを愛せてたかな

5/28/2023, 10:42:13 AM