誰かと誰かがぶつかり合って
終わらぬ夏がそこにある
誰かの怒りに火がついて
彼らの悲しみが燃えあがり
あの娘の憎悪が焼け爛れ
僕らの絶望が地に堕ちる
ぶつかり合って
混ざり合って
離れて
もう一度集まって
灼熱の季節を生きている
終わらぬ白夜を生きている
あまりに眩しい光の中で
火だるまになって生きている
夏の暑さに当てられて
僕らはきっと越えられない
あっというまに燃え尽きて
灰になって終わるでしょう
いつか季節が変わったら
あの雲がかかる峠の先で
冷たい風を受けながら
僕とあなたの二人だけ
永久に共にいたいのです
だからどうかそれまでは
僕らはどうかそれまでは
季節が変わるその時までは
季節の向こうで会うために
「−勿忘草(わすれなぐさ)−」
2/2/2023, 3:48:13 PM