るに

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もらったメモをぐしゃぐしゃにして
丸めて食べた。
私はもうそのメモを書いた人のところに
行くつもりは微塵もなかった。
その日は泥のように眠り
起きたら夕方だった。
ここから見る夕焼けは
いつも見る夕焼けと変わらない。
でも暖かくて
いつまでもここにいたいって思えた。
すぐにサッチェルバッグに荷物を詰め込み
フェリーを予約した。
私が思ったことと逆のことをすれば
大体なんとかなっていたから。
ここにいてもまたメモが届くだけ。
そう言い聞かせて
1週間後には行くことに。
お気に入りのところ、
秘密の庭園、
私の隠れ家、
思い出はたくさんある。
1週間を使って
ゆっくり、じっくりと
私のいた街を見ていた。
沖に出れば
思い出なんてカスみたいに小さくなるけど
流されることはないんだと。
カスみたいになるまでの時間稼ぎで
今振り返ってると。
馬鹿みたいに自分に言い聞かせてるもんだから
思わず笑みがこぼれる。
1週間なんてあっという間で
少しの荷物を持って
フェリーに乗った。
行く先は1つ。
海に浮かぶあの街にいる
あなたのもとへ。
"Good Midnight!"
あー、
私が生きる明日は
なんて美しく最低で綺麗なんだ!

1/15/2025, 3:02:08 PM